2011年3月8日火曜日

【3DSヒットの予感】第3回 「みんな『ちょい自慢』がしたいんだ」

前回からの続きです。

そもそも今回のキーワードとして「ちょい自慢」という言葉が浮かんだのは、
現地で生で見ていた「nintendogs + cats」のプレゼンで、
すれ違いによるスクリーンショットの交換やAR写真の交換、
犬ごとの細かい個体差等が話題に挙がった時でした。

人は皆、何かしら自慢したいものです。
それは褒めて貰いたかったり、認めて貰いたかったり、動機は様々ですが、
人より秀でている事を自慢したがるものです。
ですが、それは往々にして、妬みなど相手との軋轢も産む可能性もはらんでいます。
そこで多くの人によって、昔だとブログ、特に最近ではTwitter上でも見られますが、
「他人とは違う何か」をちょい自慢するという行為が、日常的に行われています。

別にそれが凄い事でなくても構わないわけです。他人も似たようなものを持っていたり、
経験していても、「ちょい自慢」であれば成立します。

例えば「○○って名店のラーメンなう」も、行列のできるような名店であっても、
並びさえすればみんな食べられるわけです。
自慢できている事なんて
「今、私をフォローしているみんなは普通のランチかもしれないけれど、
私は美味しいラーメンを食べてるのよ!」程度の自慢です。
そしてこの呟きは、「だからみんなもここのお店のラーメン食べてみて?」という
経験の共有も同時に期待しているのがポイントです。
ちょっとした自慢だからこそ、他人にもその経験を期待しやすい訳です。

つまり、「ちょい自慢」には口コミ効果もある、ここが大事な所です。

さて「ちょい自慢しやすいものは口コミ効果が出やすい」という観点で世の中を見てみると、
最近のヒット商品に色々と当てはまる事がよく分かります。
先程も挙げたTwitterは、まさしく、ちょい自慢の為のツールとして、
その口コミの広まりやすさも相まって最強のツールだと思います。

「食べるラー油」
品薄だった頃は、「食べるラー油を食べてみた!」というちょい自慢が全国で見られました。
しかも、ごはんにのせて食べる、ちょっと料理に混ぜてみる等々、
手に入りさえすれば誰でも簡単に味わう事ができました。

「ドラクエIX」
装備による見た目の違い、宝の地図、すれ違い通信。
ちょい自慢したくなる要素、ちょい自慢しやすいシステムがあったからこそ、
社会現象になりました。

「ラブプラス」
登場するキャラクターは3人だけです。ですが、髪型、髪色の違い、服装の違い、
性格の違いで、彼女達は様々な面を見せてくれます。
ちょっとした変化に一喜一憂し、自分だけの彼女を他の彼氏達に見て貰いたい!
そんなちょい自慢したくなる彼女だからこそ、異例のヒットとなったのです。

さて、3DSの話に戻りますが、ちょい自慢したくなる機能が満載である事は
既に説明しました。
nintendogs + catsにも、前述の通り、すれ違いによるスクリーンショットの交換や
犬ごとの細かい個体差等、ちょい自慢のネタ、ちょい自慢の為のシステムが
ゴロゴロ転がっています。

ですが、任天堂も再三にわたって「実際に見て貰わなければ伝わらない」と言っています。
すれ違いによる個体差のちょい自慢も、結局は、すでにnintendogs + catsを
持っている人同士の間のみの話です。
ここで効いてくるのが、AR対応になってきます。
もふもふの犬がこっちに迫ってくる可愛らしい姿を裸眼立体視で見せた後に、
ARでその人の手の上などに表示するコンボは効くと思います。
ARは「自慢したくなる機能」の他に「自慢する為の機能」としての顔も持っている訳です。

ARの他には、MiiのQRコード表示、Miiの画像出力も「自慢する為の機能」である
と言えます。
「画像出力は3DSを持っていない人でも見れるけど、QRコードは3DSで
読み取るものでしょ?」
確かにその通りですが、ヒット商品の場合、実はじわじわと効いてくる効果があります。
想像してみてください。
「ブログやmixi等で、何だか最近みんながQRコードを貼っている。
どうやら3DSが関係してるみたいだ。これを貼っている人達同士で楽しそうだな。」
ブームは目に見える形で大きくなっていくと、その普及速度は加速度的に上昇します。
色んな有名人、企業がTwitterIDを公式サイト等に貼るようになった事で
Twitterが普及したように、QRコードをみんなが貼るようになれば、
さらに普及は進むはずです。

また、本体機能となったすれ違い通信も、すれ違いMii広場等にMiiが集まり、
直前に遊んでいたゲームタイトルが表示され、
簡単な自己紹介(犬派?猫派?等ありました)も見れるなど、
ますます「『ちょい自慢』を自慢する為の機能」として機能していくと思います。

3DSはCMが難しいと思います。とりあえず、驚いている姿、楽しそうに遊んでいる姿を
見せていますが、恐らく、任天堂はCM効果はさほど期待していないのでは?
と個人的に感じています。
その代わり「ちょい自慢」による口コミ効果を虎視眈々と狙っているはずです。

ニンテンドー3DSがヒットするかどうかは、
どれだけ「ちょい自慢されるのか?」にかかっていると言えます。
私も、どんどん持ち歩いて自慢していこうと思います。
何より、きっと自慢したくてたまらなくなるはずですから。

最後になりましたが、長い駄文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
久しぶりに書いてみて思いましたが、野安さんや田下さんっぽいコラムになっている
のを見て、「影響受けやすいなぁ」と(笑)

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